2017年05月30日

うさぎ警備員 閉じ込めの恐怖


東京丸の内のとあるビルに、うさぎの警備員がいます。

「ももー、やっぱり都会のハイテクビルは違いまつね。」


巡回中のうさぎが感心しているのは、ビル内の通行システムです。

ビル内の扉は専用の磁気カードをカードリーダー(読み取り機)に当てることにより開きます。

それに驚いていたわけです。


「このカードでどこでも入れるので面白いでつ。」

警備員のカードは巡回や非常対応に必要なため、ほとんどの扉を開けられるようになっています。

「も?この部屋は何でつかね?ちょっと入ってみまつか。」


本来巡回では決まったところを回るのですが、うさぎ警備員は面白がって規定外の部屋に入りました。

「いろんな機械がいっぱいありまつ。何の機械か今度聞いてみまつ。」


機械室を見て満足し部屋を出ようとしましたが・・・・・

「え〜と、カードリーダーは・・・・・も?ももっ!?ないでつ!」


カードで扉を開けようとしましたが、肝心のカードリーダーがありません。

「何でないんでつか!?これじゃあ扉が開けられないでつ!もっ、そうでつ!無線で助けを呼ぶんでつ!」


巡回時に持つ無線で防災センターに連絡しようとしましたが・・・・・


「無線、忘れまつた・・・・・もう出られないでつ。僕はここで朽ち果てるんでつね。」


うさぎ警備員が(大げさに)あきらめた時、


ピッ、ガー


電気錠扉が開く音が・・・・・


「お〜い、うさぎいるか?」

同僚の警備員が入ってきました。


「ももー!助かりまつた!どうしてここにいるって分かったんでつか?」


「お前巡回に行ったきり帰って来ないからさ、カードを当てた履歴見たらここで終わっているから、来てみたんだよ。」


「ありがとうございまつ!命の恩人でつ!」


「おおげさなやつだな。」


「だってこの部屋、中から開かないんでつよ!もう出られないかと思いまつた!」


「そんなわけあるかよ。お前開けてみたのか?」


「カードリーダーがないから開けられないんでつよ!」


「これ中からはそのまま手で開けられるぞ、ほら」


「ももっ!?」


「何でもカードで開けるわけじゃないぞ。」


「もっ!そんなの教えてもらってないでつ!」


「だってこの機械室、巡回箇所じゃないだろ?」


「ももー・・・・・」


「ほら、すねてないで帰るぞ。」


「もっ、やっぱり手で開けられないでつ。」


「どうしてだよ?」


「うさぎに手はないでつから。」


「屁理屈いうな!」








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posted by うさけい at 05:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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