うさぎの道具屋さんに若い男性客が来ました。
「ここが例の店だな。」
「も、いらっしゃいませ。」
「なあ、ここって色々変わった物があるんだって?」
「ありまつよ。」
「惚れ薬とか?」
「好きになる薬ならありまつけど・・・・・」
「あるのか!?それくれ!」
「これでつけど、やめた方が・・・・・」
「いいからいいから、いくらだ? 10万円?高いけど仕方ないか。ほら10万円。」
「も、せめて使うのは少しにした方がいいでつ。」
「少しでも効果は同じなのか?」
「効果は薄くなりまつけど。」
「そうか分かった。」
男性は薬を買って帰りました。
1週間後。
「うさぎいるか?」
「も、好きになる薬のお客さん。」
「あの薬効いたぞ。おかげで付き合うことができたよ。」
「それは良かったでつ。」
「ただちょっと変なことがあってさ、彼女、時々俺のこと噛むんだよ。」
「・・・・・」
「それも甘噛みとかじゃなくて本気でさ。結構痛いんだよな。これって薬の副作用か?」
「むしろ本作用でつ。」
「?」
「お客さん、薬使うの少しにしまつたか?」
「ああ、効果出ないと困るから全部使った。」
「・・・・・やっぱり。あれは惚れ薬じゃなくて、好きになる薬なんでつよ。」
「同じだろ?」
「ちょっと違いまつ。好きになるというのは色々あるじゃないでつか。この薬の好きは食べ物の好きなんでつよ。」
「何だそれ!?そんなの先に言えよ!」
「言おうとしたのに聞かなかったじゃないでつか。」
「・・・・・それじゃ、彼女は俺を食べ物として見ているのか?」
「そうなりまつね。今はまだ理性が効いているのでその程度でつが、薬を全部使ったとなると・・・・・」

にほんブログ村

ショートショートランキング
【関連する記事】