うさぎのお菓子屋さんで閉店後、バイトうさぎがあんこを仕込んでいます。
「ごほっ、ぶしゅん!」
「も、バイト君大丈夫でつか?」
「も、店長、風邪で咳と鼻水が止まらなくて。でもこのあんこだけは仕込んで帰りまつ。」
「分かりまつた。僕は奥で事務作業をやってまつので、無理しないでください。」
「ありがとうございまつ。ぶしゅん!」
1週間後。
「こんにちは。」
「も、常連様いらっしゃいませ。」
「あら、店長が接客なんて珍しいわね。」
「バイト君が風邪で休んでいるんでつ。」
「あら、そうなの。大丈夫なの?」
「大分良くなったみたいなので、明日には来ると思いまつ。」
「それならよかったわね。ところでここのおまんじゅう、味変えた?」
「いえ、変えていないでつけど。」
「そうなの?あんこの味が少し変わったように感じたんだけど。」
「も、どんな風にでつか?」
「程よい塩味が効いてておいしかったわ。」
「塩味?」
「バイト君が味の工夫をしたんじゃないの?」
「工夫でつか。でも店長の僕に黙ってそんなこと・・・・・もっ!」
「どうしたの?」
「ももっ!何でもないでつ!」
「そう?それなら今日もおまんじゅうをいただこうかしら。」
「そ、そうでつね、え〜と、何か別のお菓子の方がいいかと・・・・・」

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